2009-10-21

井上靖 『あすなろ物語』

二回目の読了。
はじめて出会ったのは高三の時でした。
色あせぬ浄化力。

新潮社の紹介ページ

あらすじと背景

あしたには一角の人間になろうという思いを抱きながらも、運命に翻弄されていく人間たちを描いた、井上靖の自伝的小説。時代背景は大正・昭和初期~太平洋戦争終戦直後。郷里の静岡での祖母とのくらし、繊細で感受性の強かった青春時代、大阪で新聞記者として働く日々、凄惨を極めた戦争体験。同時に、それぞれの時代に出会った美しい宿命の女たち。



小説タイトルの「あすなろ(う)(翌檜)」とは?


「あすは檜になろう、あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。でも、永久に檜にはなれないんだって!それであすなろうというのよ」
(第一章「深い深い雪の中で」より)

もちろん翌檜とは明日を夢見る人の譬え。「生きる」ということの儚さを俯瞰できる、人ごととはとても思えない物語。世の中は翌檜たちでこんなにもあふれかえっているのだ!!!



現実的効用としては(笑)

「最近なんだか以前のようにやる気が湧いてこない・・・」
「日々の原動力が欲しい」と切実に悩む方、

(結構女性がらみの描写がエロいので)
エロティックな文学的想像力を小説に求めている方、

は手に取る価値があると思います。



いつも思うんだけどロープライス1円ってどういうことなんだろうな・・・・・・

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